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②頭痛にはタネがある??

頭痛にはタネがある??

 

前回は、頭痛は「脳が痛いのではない」ことが多く、脳を包んでいる頭の脳以外の部分(具体的には頭の筋肉、血管、神経、目、鼻、耳)が痛いことをご説明しました。頻度が多い順では、筋肉の痛い頭痛(頭の筋肉がこっている状態で緊張型頭痛と呼びます)が一番多く頭痛患者さんの半分くらいを占めます。次に血管が痛い頭痛(片頭痛)が1/3くらいで、筋肉と血管が痛い頭痛で8割近くを占めるといわれています。今回は一番多いタイプの緊張型頭痛について、頭痛の特徴を説明します。

 

緊張型頭痛は「頭こり」

頭の筋肉の痛い頭痛のことを緊張型頭痛といい、読んで字のごとく緊張しやすい性格の人に多いように思えます。肩が凝って頭までこってしまった状態ともいえます。この頭痛の特徴は、

①     だらだらと持続する痛み

②     頭全体、後頭部が痛むことが多く、あっちこっちに移動することもある。

③     頭をギューとしめつけられるような痛みや、重苦しい鈍痛。

④     吐き気はあっても吐くことはない。

⑤     肩こりやフワフワしためまいを伴うことがある。

⑥     朝は平気だが夕方になるにつれて徐々に悪化して、風呂に入ると少し良くなることがある。

⑦     気分転換に体を動かすと楽になったり、仕事ができないような痛みではない。何かに夢中になっていると忘れてしまうことがあるような頭痛。

というような頭痛は緊張型頭痛です。一番のポイントは、①吐かないということと、②体を動かしても痛みがそれほど悪化しないことです。もう一つの頻度の高い頭痛である片頭痛は吐くような痛みになることや、動くと痛みが悪化するので寝込んでしまうことが多いです。

 

緊張型頭痛には「頭痛のタネ」がある

緊張型頭痛は「体が悲鳴を上げている」サインと思っていただいてよいと思います。頭痛のタネとも言える「肉体的精神的ストレス」がたまると、この頭痛が起こってきます。ストレスに自分がさらされていることに気付かない人はとても多いです。人間は、必ず老化します。全員が「なったことのない年齢」になっていきます。今まで平気だったことが体に負担になってきていることに気付かないのを、頭痛が教えてくれている、といっても過言ではありません。この体に負担になっていることに気付き、生活を改善することが頭痛を治す基本です。タネは様々ですが一番多いのが寝不足です。規則正しい生活をして睡眠を十分にとると頭痛が治ることはよく経験します。ただ、緊張型頭痛のような症状が重大な病気の初発症状であることも多いのも事実です。最近はうつ病の初発症状のことがあります。憂鬱な気分が一日中ずっとしていたり、朝から緊張型頭痛のような症状が続く場合は、うつ病であることがあるので注意が必要です。また、脳腫瘍があったなんてこともあるので、頭痛が続いている場合や、特に「いつもと違う頭痛」は専門医の受診をお勧めします。