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⑥子供の片頭痛もあります

  子供にも、大人と同じように緊張型頭痛と片頭痛があります。怖い頭痛もありますが概して子供の頭痛はあまり心配のないことが多いです。気をつけなくてはいけないのは、髄膜炎と頭部打撲です。髄膜炎はがあって頭が痛く、首が前に曲がらなくなったら(首を前にまげて下あごを胸につけることができない状態、項部硬直といいます)要注意です。

また、感冒などのウイルス性疾患や、副鼻腔炎(ちくのう)が多いです。頭部外傷や髄膜炎、脳腫瘍などの脳内に何か病気がある可能性は大人の頭痛よりも低いと言われています。大人もそうですが、いつもと違う頭痛は医療機関を受診されたほうがよいと考えます。

子供にも片頭痛はあります。大人の片頭痛との違いは、持続時間が短いことや、両側性に起こることがあることです。子供の片頭痛は、頭痛がなくても周期的に吐いたり(周期性嘔吐症)、腹痛(腹部片頭痛)、めまい(小児両性発作性めまい)を起こす場合も、片頭痛の仲間に入れられています。

子供のことではないのですが、大人でも「頭痛のない片頭痛」という病態があります。6月号のこのコラムで片頭痛には前兆のある方がいることを説明しましたが、目の前がチカチカしたりギザギザした歯車のようなものが見えた後に(閃輝暗点)頭痛が起こるのが、前兆のある片頭痛といいます。この前兆が出るのみで頭痛がない方がいます。脳梗塞の前兆のこともありますので注意が必要です。最近は慢性的なめまいや耳鳴りも、片頭痛を伴っている場合には、「脳過敏症候群」という病態も提唱されています。

小児の片頭痛の治療は、痛くなった場合はイブプロフェンとアセトアミノフェンという薬が用いられます。(商品名は、有名なのはイブプロフェンがイブ、病院の薬ではブルフェン。アセトアミノフェンがノーシン、病院ではカロナール。市販のバファリンは両方入ってます。)これは普通の鎮痛薬です。トリプタン系の薬剤も12歳以上には用いることができます。

予防のお薬もありますが、誘因が認められることが多いので、薬で抑えることを考えずに、どんな時に痛くなるか「頭痛のタネ」を見つけたほうが効果的と考えています。